2018年後半から米中貿易戦争が繰り広げられている。
2019年は、その決着の行方が世界経済の行方を左右すると言っても過言ではない。
そこで、米中貿易戦争を回避するためのアメリカが中国に突きつけいている課題を整理したい。
交渉を本格化させる議題は、下記の内容である。
<<構造改革を巡る協議分野>>
①国による技術移転の強要
②知的財産権の保護
③非関税障壁の撤廃
④中国によるサイバー攻撃
⑤サービスや農業分野の市場開放
中国は、2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟してから
15年で10倍以上に経済が成長した。
市場開放したことによる恩恵を受けているのである。
そう言う意味では、中国が国家を安定させるための経済成長に繋がる
①、②、③、⑤は、願ってもない助け舟である。
中国、アメリカ、インドのGDP成長推移
出展:Google、世界銀行 |
これらの課題を90日間、3月1日までに解決することになっている。
長期化するか収束するかで、2019年のグローバル市場は左右されるが、
その日が来るまではリスクオフの要因となるだろう。
WTOの際は罰則がなく、中国が好き勝手し、経済を成長させてきた。
その結果、大国アメリカに牙を剥くまで、資本主義の危険因子である共産主義を
世界第2位の大国まで形成させるに至ってしまった。
国家間の期限は目安に過ぎないことが多いが、
今のアメリカは容赦はしないであろう。
但し、期限は延長されると予想する。それは仮に経済開放に向かって合意したとしても、
アメリカはその準備をしなければいけない。その準備期間だけ曖昧な均衡は続くとみる。
安全保障に関わる④の課題は別の場で私見を述べたいが
2019年はもっとも注視すべきことであろう。
コメント